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波動情報研究室の研究内容紹介
担当教官:山口芳雄、山田寛喜
私は目に見えない電波が好きです。
何年かかってもまだ理解できない部分もあるし、使いこなせない。
手ごわい相手であると共に興味の引かれる相手です。
その電波の性質(特に偏波と位相)を最大限に使って何がどこまでできるか?を研究対象としています。
具体的に取り組んでいるものは、以下の事柄です。
航空機・人工衛星によるSAR画像とその解析
レーダポーラリメトリ理論やインターフェロメトリの成果を使って,人工衛星,航
空機,スペースシャトルに搭載された合成開口レーダ(SAR)の画像解析を行ってい
る。地球科学の発展と,地球環境計測に貢献する研究テーマである。

CRL提供画像(新潟大学周辺)
使用データとプラットフォームは
人工衛星 宇宙開発事業団・通産省の資源探査衛星JERS-1
2002年打ち上げのALOS-PALSAR
シャトル Shuttle Imaging Radar (SIR-C/X-SAR)(Aug, 13, 2000更新)
Shuttle Radar Topography Mission
航空機 CRL/NASDAのPolarimetric Interferometric SAR
NASAのDC-8搭載AIRSAR
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レーダポーラリメトリー
電波を表現するパラメータには,周波数,振幅,位相,そして偏波がある。偏波は
時間と共に振動する電界の先端の軌跡で,ベクトルの性質がある。偏波とそれに付随
する位相はまだ十分に使われていない最後のパラメータである。その偏波について,
理論展開と共にいかに有効に使うかは興味のある問題である。現在,偏波を用いたレ
ーダの可能性について検討している。この成果は,人工衛星・スペースシャトル・航
空機からの地球環境観測に大きな貢献をすると思われる。
- 統一的偏波理論の構築
- 散乱行列とKennaugh行列
- 散乱行列からの情報利用(Aug, 13, 2000更新)
- 特徴的偏波状態とフィルタリング
- ターゲットの分解
- ターゲットの識別・分類
- その他 可能性を追求中
また,通信関係で偏波の性質を十分に使えば,コミュニケーションポーラリメトリー
と呼ばれるかもしれない.
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インターフェロメトリー
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FM-CWレーダ
FM-CWレーダは,レーダ装置の一種である。パルスレーダと異なり,図のように線
形に周波数変調(FM)を施した連続波(CW)を送信し,ターゲットからの受信信号とのビ
ート信号をとる.ビート信号の周波数がターゲットまでの距離に比例するので,その
周波数を求めることにより,距離と反射波の強さを測る装置である.研究の出発は,
積雪中の埋没物体検出から始まったが,その後,各種の理論検証と最先端の偏波干渉
レーダへと発展してきている。
- 利点
- 応用
- 埋没物体の検出
- 車両搭載レーダ(Jul. 28, 2000更新)
- イメージングレーダ
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スーパーレゾリューション信号処理
スーパーレゾリューション法(Superresolution Algorithm)とは,アレーアンテナを用いた信号の到来方向推定およびレーダターゲットの識別などにおいて,従来のビームフォーミング法並びにフーリエ変換の限界を超えた高分解能性を実現する手法の総称である.当研究室ではその中でも MUSIC法, ESPRIT法, MODE法に着目し,
に関する研究を行っている.
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Time-Frequency信号処理
電磁波を用いたセンシングでは使用する周波数によってターゲットの位置などが大きく変化して観測される場合がある.これはターゲット,あるいはターゲットを取り囲む伝搬媒質の周波数分散性によって生じる.この現象をより詳細に観測することによりターゲットの認識,媒質の分散性を補正したイメージングなどが可能となる.本研究室では下記の手法の電磁波解析への適用性を検討し,さらに電磁波解析に適した手法の開発を行っている.
- テストモデルおよび実験系
- Non-parametric method(電磁波散乱,地中レーダへの応用)
- Parametric method(電磁波散乱への応用)
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アンテナ解析
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雪と電波
雪壁道路の電波伝搬(都市内伝搬に類似),着雪アンテナ,積雪中の伝搬・減衰,雪 の後方散乱など,雪国における電波に関わる問題を検討。
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トンネル内等の電波伝搬
移動通信で問題となるトンネル内などの閉空間,溝型空間での伝搬現象を,モード展
開や幾何光学モデルにより求めてきた。外部が損失誘電体で囲まれた各種断面を持つ
中空導波路モデルで,伝搬損(減衰)が周波数と共にどのように変化するかを検討し
てきた。
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損失媒質中の電波伝搬
積雪中,土壌中に埋もれた物体を検出する際に,電波の利用も1つの有効な方法であ
る。光を通さないこれら媒質での電波の減衰を調べることにより,基本とも言える有
効な周波数帯をもとめることができる。そして,アンテナ設計やレーダ設計に役立て
ている。
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レーダポーラリメトリー散乱現象と物体形状,誘電率,導電率
散乱波は,散乱体の形状,誘電率,導電率に大きく依存する。散乱を理論的に求め
ることは電磁界理論の大きな問題であり,順方向問題である。FDTD法などにより,偏
波散乱特性を調べ,その結果を推定へのデータとして研究している。
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回折トモグラフィー
波動を利用した物体の再構成.物体に電波が当たると散乱波が生ずる.特に,物体
の大きさと電波の波長の大きさが近くなると回折現象が顕著に現れる.この回折波を
考慮して,物体の回りの散乱波を全て計測し,物体の形状(比誘電率分布,導電率分
布)を求めるものが,回折トモグラフィーである.現在行っている研究内容は
- 理論的な検討・シミュレーション
- 実験による再構成
- 偏波による再構成

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スーパーレゾリューションアレーによる高分解能電波到来方向推定
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アダプティブアレー・スーパーレゾリューションアレーの校正
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アナログスマートアンテナによる知的通信システムの開発
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MIMOシステムによる大容量無線通信システム
MIMO(Multiple-Input Mulitple-Output)システムは送信アンテナと受信アンテナを複数もちいて通信を行う.
送信機から複数の異なる情報送信し、それらを伝搬路の複雑さを利用して受信機でを取り出すことが可能である.
これにより周波数を広げることなく通信容量あげることができる.
多重伝搬路である室内での利用が広く検討されており、より高速な室内無線LANへの応用が期待されている.
本研究室では素子間相互結合を含めた最適なMIMOアンテナを提案を目的とし,アンテナ整合方法,広帯域化,アンテナパターンがMIMOのパフォーマンスに与える影響に着目している.
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